
soy_takekawa

さてさて、ゆっくりした休日です
昨日は24:00過ぎまでカットの勉強会
だったので…苦笑い
最近ちょいとハマっている江戸時代の
日本人の美意識の本を読みつつ、
日本人はやっぱり黒に対する美意識の
幅が広い民族だなぁと…
そんなことで、気になる白髪
そんな白髪染の黒についてツラツラと。
「最近、鏡を見るたびに気になる白髪。でも、昔ながらのベタッとした黒染めはちょっと…」
40代、50代、そして人生経験豊かな60代、70代のお客様から、そんなためらいの声をお聞きすることがあります。若々しさは保ちたいけれど、いかにも「染めました」という不自然な黒髪には抵抗がある。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、ここで少し日本の美しい色彩文化に目を向けてみてください。古来より、私たちは単に「黒」「白」といった色を捉えるだけでなく、その濃淡、光沢、素材感に至るまで、実に繊細な色の違いを見分けてきました。
歴史が語る、日本人の色彩感覚
例えば、平安時代の文学作品『源氏物語』には、貴族たちの装束の色として、単なる黒ではなく、「墨染(すみぞめ)」のような深みのあるグレーがかった黒や、上質な光沢を放つ黒などが描写されています。これは、当時の人々が微妙な色の差異を理解し、美意識と深く結びつけていた証拠と言えるでしょう。
江戸時代になると、その色彩感覚はさらに多様化しました。庶民の間にも様々な色が広まる中で、黒は武士の威厳や、粋な町人の装いを象徴する重要な色として愛されました。染めの技術も進歩し、「江戸黒」のように、深く奥行きのある、それでいて微妙なニュアンスを含んだ黒が生まれたのです。また、光沢のある黒繻子(くろじゅす)や、漆塗りのような吸い込まれるような黒、「漆黒(しっこく)」といった言葉からも、日本人がいかに多様な「黒」を認識し、表現してきたかが伺えます。
さらに、私たちの文化には、黒に近い色だけでも「墨色」「濡羽色」「玄」「烏羽色」「鉄黒」といった、豊かな伝統色名が存在します。これらの名前は、単に色を示すだけでなく、墨の濃淡、濡れたカラスの羽の光沢、深遠な宇宙の色など、様々なイメージを私たちに想起させます。
「グレーカラーメソッド」という名の、現代の色彩美
そして現代。「グレーカラーメソッド」という新しい白髪染めの技術は、まさにこうした日本人が培ってきた繊細な色彩感覚を受け継ぎ、進化させたものと言えるでしょう。
従来の白髪染めのように、単一の染料でただ白髪を覆い隠すのではなく、お客様一人ひとりの髪質、白髪の量、そして理想とするイメージに合わせて、数種類の染料を丁寧にブレンドします。それは、まるで熟練の職人が微妙な色合いの墨を磨り合わせるように、その方だけの「黒」を創り出す作業なのです。
「あなただけの黒」がもたらすもの
この方法で染め上げた髪色は、決して単調なベタ塗りにはなりません。
* 奥行きと立体感: 白髪と染めた部分が自然に溶け合い、まるで繊細なグラデーションのように、奥行きのある美しい仕上がりになります。
* 上品なツヤと透明感: 深みのある色合いでありながら、重苦しさを感じさせず、光を内側から放つような、上品なツヤと透明感が生まれます。
* 肌を美しく引き立てる: パーソナルカラーの理論に基づき、お客様の肌の色を最も美しく見せる「黒」を選ぶことで、顔全体の印象が明るく、洗練されたものになります。
40代からのヘアカラーは、単に年齢による変化をカバーするだけでなく、その方の持つ内面の美しさを引き出し、より輝かせるためのものです。「グレーカラーメソッド」は、日本の豊かな色彩感覚を背景に、「ただ染める」のではなく、「美しく魅せる」ことを追求した、新しい時代のヘアカラーと言えるでしょう。
もし、これまで白髪染めに抵抗があった方も、ぜひ一度「グレーカラーメソッド」をご体験ください。私たち美容師は、お客様の持つ美しさを最大限に引き出す「あなただけの黒」を見つけ、自信に満ちた輝く毎日をサポートさせていただきます。
夕方の雨で緑が一斉に綺麗になりましたね。